訃報 森洋一君 S40 年卒 バリトン
平成19年11月15日逝去、敗血症、享年66歳

森 洋一君を偲ぶ

同期幹事の土谷肇明君から「敏](トップ・中村敏彦君・故人の義弟)からの緊急連絡」と、11月15日、あなたの訃報を知らされたときは一瞬、事態がよく飲み込めませんでした。記憶のアルバムに貼ってある森君は、いつも微笑んでおり、そんな君が敗血症で急に亡くなったことが、咄嗟には結びつかなかったためです。
仕事でしばらくシンガポールやカンボジアに行っていたため、君とは卒業以来、20年余り会えないままでした。こんなに突然、永久の別れをすることになり、私自身はまだ心の整理ができないでいます。「森君、君は、本当に天国に行ってしまったのかい?」
卒業後、ふるさとの松山に戻り、父上から引き継いだ税理事務所を構えた君の活躍は地元愛媛にとどまらず、四国・中国一円に及ぶ税務業界の大御所として君臨していると風のうわさに聞き、拍手喝さいを送ったものでした。そういえばグリー時代から会計役をこなし、その堅実で緻密な仕事ぶりは、その後の活躍を十分、予想させるものでしたね。
上智で初めて君に会ったとき、少し色黒でいつも笑みを浮かべながら、言い出したら引かない芯の強さをも感じさせた君の風貌から、私は「漱石の描く坊ちゃんの松山の中学生とは、きっと君のような男をモデルにしたのだろう」と勝手に想像したものです。それも、はるか昔のことになってしまいました。
数と結束を誇ってきた我われ40年のグリー同期に衝撃を与えたあなたの訃報は「緩みかけたふんどしを締めなおし、心して、晩年を全うせよ」という森君からの叱咤のように思えてなりません。
すみだトリフォニーホールで10月8日に開かれた「北村協一メモリアルコンサート」のデュオーパのミサ曲CDを君の霊前に捧げ、君の安らかな冥福を祈ります。
合掌
山田三千夫 S40年卒 T.T.