カンボジア青少年オーケストラ及びアンコール国際青少年オーケストラコンサートの事 
(S40年卒 山田三千夫)

S.40年度卒の山田三千夫です。
日ごろグリーOB会活動にご無沙汰を重ね申し訳ありません。
昨日、石澤学長を囲むグリーOB会の席で私の活動を本誌にて紹介するようにとの
田中先輩より温かいお声をかけて頂き、お言葉に甘え筆を取らせて頂きます。
私はグリーを卒業させて頂いたおかげで、豪州、シンガポール、カンボジアそれぞれの
海外勤務時代、現地での合唱活動に溶け込み、生涯の思い出、友人を沢山作る事が出来ました。
特に最後の任地では文化芸術省国際文化交流アドバイザーという願っても無い
業務に恵まれ、カンボジアの学生合唱普及、青少年オーケストラの組織、クメール音楽と
西洋音楽の融合等様々な文化活動に参画する事ができました。これらの軌跡を振り返ると
そのルーツは結局上智のグリーであった事に今頃気付き、この素晴らしいグループを育て上げて下さった先輩、同輩、後輩のご苦労、努力に改めて深く頭を下げる思いです。
さて、私のカンボジアに関わる現在の活動状況をご案内し、その内容にご理解いただける方が居られましたら、是非ご協力、ご支援の程、厚顔ながらお願い申し上げる次第です。
1. アンコール青少年オーケストラ(Angkor Youth Orchestra, ANYO )
カンボジアはポルポト政権時代の徹底的な文化破壊政策により、音楽に関わる
施設、機材、人材全てが無に帰してしまいました。
その後、2001年にこの国もアセアンに加盟し、ようやく様々な分野で周辺諸国に
ごすべく遅々ながら文化面にも光が当てられ始めていますが、クラッシック音楽に
関しては未だに関心が低く、オーケストラ活動などはアマ、プロを含め全く行われて
いません。
オーケストラの存在は一国の文化の尺度を図るバロメータでもあり、何らかの形で
将来オーケストラを持つ意識が無ければ、アセアン諸国の中で恥をかくぞと、
事ある度に政府関係者、学校関係者にはっぱをかけていました。
本年当初NHKバンコック支局よりタイユースオーケストラと提携活動を
続けている群馬ジュニアオーケストラ(GJO)を紹介されました。早速GJOと
連絡をとりカンボジア側の受け皿を作りアンコール青少年オーケストラ(ANYO)を
組織し政府登録を行いました。7歳から20歳までの青少年50名が公募で選ばれ
毎週日曜日麻二時間王立芸大の一室を借り弦楽器中心の練習を行っています。
楽器はGJO並びに私が集めた中古バイオリン20台チェロ2台ビオラ1台を団員が
交代で使用しています。指導はロシア留学経験のある芸大の先生が交代で教えており
その指導費用月額US$300.−は、私が一年分の寄付を行い当座をしのいでいます。
12月にアンコールワット国際青少年オーケストラコンサートに現地に行く予定ですが
この際にも持参できるよう既に中古バイオリンを7台集めています。GJOは演奏用に
持ってゆくテインパニーを使用後寄付してくる予定です。またボランテアーで参加する
札幌交響楽団のチェロ奏者も演奏後楽器を寄付してくれる事となっています。
ANYOには、まだまだ楽器が不足しています。
グリーOBの皆様又はお知り合いに不要となった楽器をお持ちの方が居られましたら
お手数でも私の方にご紹介頂けませんでしょうか? 
弦、松脂、楽譜スタンド等の関連部品のみでも結構です。
また、楽器が増え指導者が増えることによる指導料負担も増える為、この面での
ご支援が可能でしたらご篤志も助かります。
2. アンコール国際青少年オーケストラコンサート
12月から来年1月にかけてアンコールワットのあるシムリアップ市において
アンコール文化エキスポ2006がカンボジア政府の主催により開催されます。
このイヴェントには、世界20ヶ国が参加し、それぞれの国の文化が披露されます。
この機会を利用し、アンコールワットの境内で12月31日と1月1日の年末、年始にアンコール国際青少年オーケストラコンサートを企画提案し、主催者側の同意を取り付けました。
この演奏会にはアンコールユースオーケストラ(ANYO)及びクメール伝統楽器奏者の地元側の参加者と群馬ジュニアオーケストラ、アントワープユースオーケストラ、タイジュニアオーケストラ、チェコの若手指揮者、札幌交響楽団チェロ奏者やネパールで音楽教師をしている芸大出のホルン奏者等様々のボランテアーが自費参加します。
今回の演奏会への参加費用に関して、海外よりの参加者は全て宿泊代以外自己負担、現地青少年演奏者、クメール伝統楽器奏者経費は主催者負担と言う取り決めで準備が進められてまいりました。
ところが、先週になって宿泊費ならびに現地参加者の費用は予算がおりず負担できないととんでもない事をいってきました。この様な話はカンボジアでは,よくある事なので今更怒ったり驚いたりはする事ではありませんが航空券も予約し準備を整えている日本側は、今更はしごを降りるわけにも行きません。
この為、日本側参加者には訳を言って費用の追加を了承して貰いました。
しかし、張り切って練習に励んでいるカンボジアの青少年達が、主催者の翻意により海外の仲間達と音楽演奏を共演できると言う千偶一在の機会を逸するとは、余りに酷な話です。この為、懇意にしている在日カンボジア大使に実情を伝えカンボジア青少年への支援協力を相談しました。
同大使も状況を理解し現地側必要経費〔$5000〕の捻出に協力してくれる可能性のある団体への紹介を積極的に行ってくれ連日大使の紹介状を持ってカンボジア青少年への支援金援助募集に走り回っている毎日です。
もし、上記現況をご理解いただきご支援下さる篤志家がおられましたら是非私にご紹介下さい。私は12月19日から現地に飛び準備並びに調整活動を行う予定です。
                                                             以上
<HP担当より>
この記事は2006年11月26日に掲載いたしました。